規格住宅とは、住宅会社の「規格」にしたがって建築する住宅のことです。

具体的に言えば、外装や内装、間取り、設備などについて、住宅会社が一定の選択肢を事前に用意しています。

そのなかから買主が取捨選択して住宅を作り上げていくイメージです。

規格住宅には主に以下の特徴があります。

・住宅会社が用意したプランから間取りなどを選ぶ

・標準的な建築費用がプランごとに決まっている

・注文住宅に比べて工期が比較的短い

規格住宅は、基本的には住宅会社の用意したプランから間取りを選ぶことになります。

しかし住宅会社によっては、外壁や内装材のデザインを自由に選べたり、建物の外周の壁は変更できないけれど、家の中の壁の位置を変更して、フルオーダーに近い感覚で間取りを検討できる会社もあります。

一口に「規格プラン」と言っても、住宅会社によって設計の自由度は異なります。

規格住宅は、ほとんどの建材・工法が規格化されているため、建築費用を抑えたり、工期を短くすることが可能です。

注文住宅は、一棟一棟お客様の希望に合わせて間取りを設計する必要があり、設計から施工まで住宅会社にとっても多くの時間と労力がかかります。

まずは土地の形や法規制を調べて、設計図を作成するところからスタートし、外観や内装のデザインもゼロベースで決めていく必要があります。

そして、作成した図面の構造計算を行い、一棟一棟異なる材料を選別・手配する必要があり、これらの作業に携わる社員の人件費も建築コストに跳ね返ってきます。

注文住宅は世界に一つだけの一点ものですので、建築費用も高くなってしまうのです。

その点、規格住宅は設計や仕様が標準化されており、材料も統一されているため、材料の大量発注によるコスト削減が可能となります。

設計図も１度作成してしまえば、他のお客様に何度も活用できますので、設計に携わる人件費も削減することができます。

住宅会社からすれば、規格住宅は基本設計が完了していますので、お客様との打合せ回数を減らし、作業効率を高めることが可能なのです。

住宅の品質自体は、フルオーダーの注文住宅とほとんど差がありませんので、構造面の安心感もあり、コストパフォーマンスに優れています。

規格住宅は基本的な設計や構造計算は既に完了していますので、打合せから住宅の完成までの期間を大幅に短縮する事ができます。

住宅購入計画がスタートしてから完成までの期間が短ければ、その間の賃貸住宅の家賃や、土地の先行取得にかかるローン利息の支払いといった費用の節約にも繋がります。

また、部屋数やデザインなど、必要な部分だけ選択すれば済むため、夫婦共働きで打ち合わせの時間を確保するのが難しい方などには、規格住宅が向いています。

フルオーダーの注文住宅の建築は思った以上に時間がかかりますので、お子様の入学や入園のタイミングに合わせて新居へ引っ越したい方などにもおすすめです。

資金計画の面でも、注文住宅は全ての間取りやオプションなどが決まらないと具体的な総予算が確定できず、計画の途中で「いったいいくらかかるのだろうか？」と不安に感じる方もいます。

しかし、規格住宅は基本的な購入価格は既に決まっていますので、早い段階で見積もり金額が明確になり、購入時の資金計画を立てやすいのも強みです。

規格住宅のデメリットは、フルオーダーの注文住宅に比べれば間取りの自由度が低い点にあります。

住宅会社によって何パターンかのプランが用意されていることも多いものの、間取りを完全に思いどおりに決めたいという人にとっては物足りなく感じてしまいます。

また、規格外の条件には対応が難しいため、三角地など特殊な形の土地の場合には建築ができない可能性が高くなります。

最終的にフルオーダーの注文住宅とするか、規格住宅とするかは、その人のライフスタイルや価値観によって異なります。

家族の想いをとことん追求したい方は注文住宅になりますし、予算を抑えて効率的に建築したい方は規格住宅、といった選択基準が考えられます。

住宅購入計画がスタートした早い段階で、どのような住宅を希望するのか？は家族内で話し合っておきましょう。

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