住まいのお金FP相談室の真崎です。

銀行の貸金庫で保管していた金品を銀行員が横領していたという事件が発生しました。

貸金庫を契約していた方は、

「自宅に置いておくよりも安全だから」

と思って銀行の貸金庫を利用していたはずです。

それがよりによって保管している銀行の社員が盗んでいたら、何のために利用料を負担して貸金庫を借りていたのか分からないですよね。

住宅購入を希望するお客様の中には、

「戸建て住宅より安全性が高いから」

という理由だけで、マンションを選択される方がいます。

では、マンションの安全性に死角は無いのでしょうか？

マンションの安全性は貸金庫の事件と同じ構図で、外部からの被害には強いかもしれませんが、内部の住民からの攻撃には脆弱です。

マンションは管理人の常駐やオートロックなど、外部の人が入って来て犯罪に巻き込まれる可能性は低いと思います。

ただ、マンションの世帯数が多くなればなるほど、マンション内の住民とトラブルになるリスクは高くなります。

以前、戸建て住宅への住み替えを希望しているお客様が相談に見えました。

そのお客様の住み替えの理由は

「隣の住民の騒音に耐えられない！」

というものでした。

最初お話を聞いた時は、お隣の方が深夜に騒いでいるのかと思いましたが、内情は全く異なるものでした。

奥様曰く

「隣の住民の“コンセントを抜き差しする音”がうるさくて眠れない！」

そうで、長年にわたり何度も隣人へクレームを入れたそうです。

夜はコンセントの抜き差しの音がうるさくて眠れないのでクレームを入れ、

夜に寝れないので朝～お昼にかけて寝ようとしても、今度は生活音がうるさくて眠れないのでクレームを入れ

と、終日クレームを入れている感じでした。

夜中に騒いでいるとかならともかく、日常生活で生じる音は「お互い様」ですから、クレームを言われた住民側も改善しようがありません。

それで戸建て住宅への住み替えを検討したそうです。

「寝るときだけ耳栓をするのではダメなの？」

と思いましたが

「耳栓は耳が痒くなるので耐えられない！なぜ被害者の私がそんな我慢を強いられるの！」

との事でした。

初回面談後は、住宅購入に対する質問がメールで届きましたが、他のお客様の対応で数時間返信ができなかったら、同じ内容のメールが何通も何通も送信されてきました。

奥様の思い通りにならない事が生じるたびにご主人へ悪態をつき、そのうち当社へも理不尽な要求がエスカレートしてきたので、やむなく相談業務は終了させて頂きました。

もしこういった方が、購入したマンションの上下階や隣に住んでいたとすると、非常に大変です。

マンションは壁を隔てて他人と繋がっていますので、戸建て住宅よりもこういった方からのクレーム攻撃に合う可能性は高くなります。

ですから、マンションは安全性が高いという理由だけで購入を決めてしまうのはちょっと考え物です。

戸建て住宅とマンションのどちらを購入するか？は、安全性だけで判断することなく、総合的に検討を重ねていきましょう。

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